スリランカで生まれるアーユルカラーの美しい衣 punchi la mai
鮮やかで元気なカラーに彩られた布たち
肌にしっとりとなじむシックなカラーの布たち
手にとって見るととても繊細で丁寧な縫製にハッとします。
着てみるとたっぷりの心地よい生地に包まれる安心感があります。
すっきりとしたそれでいてあたたかい存在感の服。

この服はスリランカのある村の女性たちの手で作られています。
2019年4月にはテロが起きたり、また世界的なパンデミックの影響もどのように受けておられるのでしょうか?
私自身、2018年にスリランカのアトリエ にお伺いさせていただいた空気感も思い出しながら、藤原さんの波乱万丈の歩み、プンチラマイの10年、10年目の新たな挑戦”Lailha”(ライラ)について、代表の藤原響子さんにお伺いしました。

スリランカに出会ったのは20年ほど前。今は世界中のツーリストに人気のスリランカも、長い内戦で2009年までは治安のよくない国でした。
平和が戻ったこの国で自分の「ライフワーク」を見つけようと踏み出しました。
11年前は何をどこでどうするかも全てゼロからのスタートでした。女性たちが子育て中でも仕事ができるように小さな工房でとチームを作り職人を育て、製作できる体勢に育ててきました。
スリランカに惹かれた大きな理由は、人々と自然。
そのどちらも輝いている美しい島です。
私は沖縄出身ですが、どちらもよく似たところがあります。
新陳代謝を繰り返し、2017年に現在のチームで再出発。
海を隔てたスリランカにチームを維持する力が足りず、ひとつ目のチームは自然消滅。ふたつ目のチームはリーダーに金銭トラブルが起こり解雇。事態が発覚した時は大きなショックを受けました。
>ふみか
様々な問題などが起こって、その都度乗り越えてこられたんですね!
遠距離でのお仕事、言葉の壁、技術の問題など苦労が想像を超えてしまいますが、、日本とスリランカ、遠く離れていますがコミュニケーションはどのように取られていたんでしょうか?
>藤原さん
過去の失敗を糧に、日本にいる時も電話での現地の言葉で一人一人と直接コミュニケーションをとるようになりました。1日に何度も電話やテレビ電話で話します。
また多い時で、年間5度ほどスリランカに1ヶ月程度滞在して、制作を進めています。
生産から販売に至るまでの全ての経費、日本の販売状況、良いことも悪いことも説明をオープンにしています。
たくさんのコミュニケーションを重ねることで私自身の思いや服作りのコンセプトもより深く理解してもらうよう心がけています。
おかげで、喜びも心配も共有できるワンチームへと成長しています。
様々な問題がありながらも、その道のりで幸いにも育っていたメンバーと共に心機一転、2017年に再出発して今があります。
現在ソーングセンターでは5人のお母さんたちが働いています。
>ふみか
自然の中の風の抜ける気持ちいいアトリエ 、お伺いしたときのことを思い出します。
みなさん朝礼では、祭壇に向かってすごく長い歌のようなお経を唱えられているのがとても印象的でした。仏教徒なんですね、日本の仏教とは、スタイルもお経の節なども全く違ったので、とても興味深く感じました。
縫製に関して驚いたんですが、1人で1着を仕上げるというスタイルを取られていますよね。それはどういった想いからですか?
>藤原さん
1人で1着を仕立てることで、服のデザインや機能を全体に理解することに繋がり、なにより人への想いが込められますよね。ずっと襟だけ作っていたら、着る人のことを考えにくいですよね。うちのように小さな工房では効率を求めたシステムには出来ないですし、小ささを生かして、分業ではなく1人で1着を仕立てるように縫っています。
検品、アイロンまで全て一人でして、担当スタッフが最終チェックをします。
>ふみか
数日で2種類の新作を仕上げるというお仕事で参加させていただき、ソーイングリーダーのギータさんと一緒に作らせていただいて、とても真摯に根気よく向き合い、それでいて丁寧に仕上げられていました。言葉が通じなくても良いものを作りたいという気持ちがとても伝わってきて、素晴らしいなと、藤原さんの思いをしっかりみなさんが共有されているんだということを感じました。
そして縫製の技術もさることながら、プンチラマイのお洋服の独特の美しい深みのあるカラーについて教えていただけますか?
>藤原さん
スリランカといえばAyurvedaが有名ですが、私たちはそのAyurvedaで治療にも使われる植物を使い草木染めをしています。染色工場も元々立ち上げをされたチームが撤退し、染色工場がなくなってしまうところを引き取ったところから始まりました。
染料は木の実、根や皮などのメディカルハーブは現地のアーユルヴェーダファーマシーで直接入手します。森で伐採されたフレッシュな樹木も利用します。薬効と色をしっかりと抽出し、自然が持つ不均一さを揺らぎにゆだね、その時に生まれて得た色に出会います。
着るにつれ自分とともに色も変化し、また染め重ねも承っておりますので、新しい命を吹き込むこともできます。
染色工房と縫製工房、この二つのチームで服作りをしています。
>ふみか
染める素材によっては、木の塊を細かく砕いていく作業からされてましたよね。また、染料を煮立たせて抽出するタイミングや、染める際の生地の分量、染めている間は火を焚きながら、1時間以上ずっと布をかき混ぜ続けるといった、力を要する大変なお仕事だと感じました。
実際、見学と体験をさせていただいて、大変な時間と労力をかけて染めることで、このムラのない美しい染めに仕上がるんだと感動しました。
プンチラマイのスタートから10年の今年、満を辞して世に送り出された、オリジナルブランド”Lailha”(ライラ)について教えていただけますか?
年代問わず長く着られる、素材のいい大人の服を作る
今まで商品自体にブランドネームを付けたことがなかったんですよ。プンチラマイはもともとプロジェクト名であり工房名なんです。
確かな感触をつかむまで、ブランドをリリースするのは時期尚早だと思っていました。
でも、プンチラマイを始めて10年、紆余曲折がありながら何とか続いてきたのは奇跡じゃないか、財産じゃないか、もしかしたら喜んでくださる方もいるかもしれないと、思うようになりました。私は服を作ることが好きなんだと、気が付いたんです。
そして何より、ソーイングセンターも染め工房もスタッフがこれまでで一番ベストな状態です。
というもの、2年前には大きな挫折もあり、現地リーダーを変えてリトライしました。その時にもっと悪化していたら今はありません。
描いたイメージをパタンナーさんと共にデザインを形にしていきます。
大人の女性に向け、長く着られるシンプルな服を心がけ幅広い年代の女性に喜んでいただいています。
そして生地は特にこだわるところです。
布はもともとはひとつぶの種を育てることに始まり、多くの職人が関わらなくては生まれません。
見えづらいサプライチェーンだからこそ私たちがつくる服の生地は、生産地や生産者への配慮など透明性があり、なお着心地の良いオーガニックコットンなどのエシカルな素材を選んでいます。
その布を自分たちの手で時間を惜しまず植物で染め、縫製も分業ではなく、一人が1着を仕立てています。
着る方のことを想い、心を込めてお届けするためです。
私自身、世の中に服が飽和して有り余っている状態に疑問があります。
最近はアパレル業界にもサステナブルな取組みや価値が芽生えていることは肌で感じますが、まだまだ今のところ大量生産、大量在庫、大量消費、そして廃棄。という循環がメインストリーム。環境に対する負荷、労働環境にも問題は多く、闇を抱えています。
買う側も服の衝動買いを控え、素敵なうえに長く着られるものをじっくり選ぶ。それがファッションの主流となれば、多くの問題が明るい方向へ進んでいくように感じます。
>ふみか
ファッションには様々な問題がありますよね、大量生産大量消費は今や地球にとっても人にとっても負荷を生み出すものになってしまっているのかもしれませんね。藤原さんには、当社のオーガニックヘンプ素材などにもご関心をいただき、ご使用いただいていてとても励みになっています。ありがとうございます。
ヘンプは消費者庁の表記で「指定外繊維」と指定されていますが、それにも様々な背景があります。大変エシカルな素材ですが、限られたカルチャーの中からなかなか世に広まって使用されていないのが現状です、少しでも手に取っていただけることが持続可能な世界につながると信じています。
>藤原さん
そうですね、素材も含めて効率とは真逆の、手間暇をかけ丁寧につくるもの、
それを小さな経済でも循環させることで、幸せを循環することが目標です。
みなが技術に対する姿勢を高め、日々笑顔で働く姿をみて、私自身が力をもらっています。
母親でもある彼女たちの愛情深さから教えられることばかりです。
そして、私の中で一番大切なのは、みんながこの仕事をしてて幸せかどうかです。
みんなの笑顔をキープすることに責任を感じています。
ビジネスとしてはまだまだ道を模索中で安定していませんが、だからこそ私自身の幸せとモチベーションはみんなの生き生きした笑顔。
それが新たな企画、素材探し、販売など、日本での仕事のエネルギー源となっています。
食べ物だけでなく、着るものに関しても、誰によってどう作られたものかがわかるのは嬉しいことであり安心できることではないでしょうか?
着る人にとっても作る人にとっても、幸せな関係性が循環していくことで、ファッションの力はもっと強く美しいものになると信じています。
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